参加559名 ポスター発表40件 口頭発表23件 自由集会3件
参加申し込み期限
12月19日 発表タイトル要旨提出締切 【済】
12月26日 ポスター発表PDF提出締切 【済】
1月 4日 参加のみの申込 【済】
包み屋 kurumiya
生き物柄のアクセサリーをくるみボタンを使って作ってます。野鳥は特に好きなので、オリジナル布柄と既製布柄と合わせて200種。アクセサリーの種類は約40種と豊富です。
Hure-shuma Reiko
野鳥や動物をモチーフにした七宝焼きのブローチを出品します。七宝焼きとは金属の土台にガラスの釉薬を高温で焼き付ける伝統工芸で、ガラス特有の艶やかな輝きが魅力です。
CANCAN(きゃんきゃん)
日本の野鳥をモチーフとして手刺繍で制作しています。緻密で繊細な刺繍たちは、本物志向の方にも自信をもってお勧めできる特別な作品です。世界にひとつだけの作品をぜひ。
築地書館
ティム・バークヘッド著「人類を熱狂させた鳥たち 食欲・収集欲・探究欲の1万2000年」1万年にわたる人間と鳥の関わりを、先史時代から現代まで、英国を代表する鳥類学者が語りつくす。
ティアック株式会社・
TASCAMハイレゾレコーダー
野鳥録音に便利なタイマー録音機能搭載の製品や、野鳥録音のプリセットを備えたタッチパネル搭載レコーダーなど、実際の音源とともにおすすめの製品やお得な情報をご案内。
自由集会
あるテーマについて、企画者が1~数名の演者を呼び、講演を軸に、質疑や議論をする場です。
企画者の方は、ポスター発表や口頭発表と同様に集会のタイトルと要旨を登録してください。自由集会にお呼びする演者の方は発表申込は不要ですが、参加申込みが必要ですので、企画者からお伝えください。
時間枠は2時間です。Zoomのブレイクアウトルームを使用します。
懇親会
懇親会は1月7日(土)の夜にZoomのブレイクアウトルームを使って開催します。お手元に各自、飲み物とおつまみを用意してご参加ください。参加費は無料です。最初の30分は、6名ずつランダムに部屋にわかれていただきます。初めての方との交流をお楽しみください。部屋に入ったら、お名前と好きな鳥や興味のあることなどについて簡単な自己紹介をして交流をお楽しみください。その後は、部屋の間を自由に移動できるようにしますので、好きな部屋で親交を深めてください。
最優秀ポスター賞
対象 :全てのポスター発表
審査員 :全参加者
審査基準:参加者がそれぞれの基準で最も面白いと思った発表に対して1票を投じ、最も多くの票を集めた発表に対して授与します。
ヒマラボ賞
対象 :空いた時間に行った調査研究活動によるポスター発表(発表者による申告)
審査員 :全参加者
趣旨と審査基準:鳥類学は、ちょっとした好奇心や行動力でチャレンジできる学問です。発表者が仕事や学業、家事をしながら空いた時間に取り組んだ調査や研究、研究者がメインテーマとは別にちょっとやってみた研究にもスポットライトを当てたいと考えます。参加者が、自分でも空き時間にやってみよう!と意欲をかき立てられた発表に1票を投じます。最も多くの票を集めた発表に対して授与します。
※協賛団体の一般社団法人ヒマラボは、「好奇心を楽しもう、空いた時間に研究的な活動をして小さな知的生産をめでよう」という思いを込め、ヒマなときに研究するラボです。
今年の発表形式について
オンラインの学会や集会もすっかり定着してきました。バードリサーチでは、誰もがどこからでも気軽に参加できるオンラインイベントの長所を活かして鳥類学大会の運営を続けようと考えています。とはいえ、まだオンラインでは再現しづらい、対面ならではの話しかけやすさや雰囲気の伝わり方もあります。
今年の鳥類学大会では、バーチャルオフィス空間を提供するoViceというサービスを利用してポスター発表会場を再現します。oViceは、Web画面上で自分のアイコンを移動させて、他の参加者のアイコンに近づくことで、声が聞こえるようになる仕組みです。距離や密度を画面上に再現することで、より対面に近い環境を作ることができます。最初は操作に戸惑うかもしれませんが、きっと皆さんに楽しんでもらえるに違いない、と思っています。スムーズに参加してもらえるよう工夫しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
参加登録締め切り
12月11日 発表申し込み締め切り 【受付終了】
12月18日 発表要旨等の提出締め切り 【受付終了】
1月4日 参加申し込み締め切り 【受付終了(↓)】
12月12日 発表ファイルの提出締め切り 【 受付中!】
12月8日現在 参加456名 発表45件
大会会場
12月18日 土曜日
午前の部 9:00-12:30
9:00 開会
9:10 調査研究支援プロジェクト バードリサーチ賞
授賞式・授賞講演
アカモズの生息に適したリンゴ栽培方法は?
松宮裕秋、赤松あかり、原星一
小笠原諸島 -伊豆諸島 ツバメの渡り調査2019-
重原美智子
林床の赤い実を食べるのは誰?
-自動撮影カメラで鳥類の果実消費量を定量化する-
前田大成
泥棒からはやにえを守れ!
-モズの雄は、はやにえを雌に盗まれないようにはやにえを物かげに隠す?-
西田有佑
株式会社モンベルより授賞者への副賞をご提供をいただきました。
昼休み 12:30-13:00
13:00 調査支援プロジェクト2021年度支援先(10件) の
プレゼンテーション(zoom)
13:50 スライド発表 説明
発表タイトルと要旨、スライドはこのページの下部にあります。
タイトルをクリックして発表をご覧ください。
発表者と話をしたり、質問をしたい方は、各発表に割り当てられた
コアタイムに、zoomのブレイクアウトルームに移動してください。
14:00-15:00 コアタイム1 ( 発表番号 01 - 15 )
15:10-16:10 コアタイム2 ( 発表番号 16 - 30 )
16:20-17:20 コアタイム3 ( 発表番号 31 - 46)
!!人気投票 !!
気に入った発表を46の発表の中から3つまで選んで投票してください。
結果は、全体懇親会の開始時に発表します。
17:30 バードウォッチャーがつくる
鳥類学のためのプラットフォーム構築第一弾
食性データベース企画の紹介
18:00 食性データベース テーマ別談話会・懇親会
18:30 全体懇親会
21:00 閉会(二次会等はご自由に)
コアタイム1 14:00-15:00
1. 2021年茨城県全域における春のムナグロ渡り調査報告(日本野鳥の会茨城県)
〇岸久司、飯田直己、内田初江、塚本英夫
茨城県は春のシギ・チドリ類、特に淡水性のシギ・チドリ類の重要な中継地となっています。中でもムナグロは水田地帯を渡来環境として好み、そのような環境を多く有する本県は全国でも有数の中継地となっています。いままでアバウトでの生息状況であったが今回、
日本野鳥の会茨城県にて2021年3月27日(土)から6月6日(日)の期間(72日)で調査を実施し、初認から終認まで県内のどこを何羽の群れが利用しているかを調べて明らかにしたものです。
2. 鳥とお天気の諺についての一考察
〇太田佳似
鳥の鳴き声や行動から、短期、長期のお天気を予測する諺(ことわざ)は日本全国に知ら
れている。今日でも農家などでは、古くからの言い伝えや諺と指標生物の観察を組み合わ
せて、年々の季節の偏差を読み取り、農作業に活かす工夫がなされている。先人からの贈
り物である諺の科学的根拠が明らかにできれば、より精度の高い情報提供や、生物を模倣
した新たなセンサーや測器の開発に繋がるかも知れない。今回は、鳥とお天気のよく知ら
れた10個の諺を紹介し、本当に科学的な根拠があるのか?皆さんと一緒に考えてみたい。
3. 恥骨間距離を用いたタンチョウの性判別の試み
〇吉野智生(釧路市動物園)、百瀬邦和(タンチョウ保護研究グループ)
鳥類の外見上性判別が難しい場合、遺伝子検査など様々な手法があるが、時間や費用、個体の状態等によって取れる方法は限られる。タンチョウ成鳥は鳴きあい等で判別可能だが、単独個体やヒナ、死体等不可能な場合もある。そこで一部の鳥類で知られる恥骨間距離を用いた性判別を検討した。今年度釧路市動物園に搬入された死体12個体(♂4♀8)で計測したところ、メスはオスより有意に長かった(P<0.05)。一方、標識調査時に捕獲したヒナ23個体(♂12♀11)では有意差はなかった。年齢による変化が大きい可能性があり、今後検討を進める予定である。
4. みんなで描く鳥の越冬分布 ~全国鳥類越冬分布調査~
〇植田睦之
寒い冬,鳥の分布は寒さや積雪による影響を受けます。気候変動による気温や積雪の変化で鳥の分布は以前と変わってきていいると思われます。
そこで,今年完了した繁殖期の分布調査に続き,越冬期の分布も明らかにしようとしています。決まったコースで現地調査した繁殖分布調査とは異なり,越冬分布はみなさんの普段の観察記録を集約することで描こうとしています。ぜひこの調査に参加いただきたく,調査への参加方法をご説明するとともに,ここまでにわかってきている越冬分布の変化をご紹介します。
5. 2021年1月宮城ハクチョウ調査で認められた雁・白鳥類の寒波による移動状況
〇平泉秀樹
今年1月の宮城県ガンカモ類生息調査では伊豆沼や蕪栗沼のガン類の数が例年より少なく、県HPでは寒波の影響によりねぐらが分散したと推測しているが、分散先は明らかにされていない。同時期の宮城ハクチョウ調査では早朝のねぐら調査の利点を生かしてガン類についても記録を試みた結果、各地でガン類のねぐら利用を確認することができた。平常年との比較など不十分な点はあるが、公開されたガンカモ類の生息調査の地点別記録や演者の個人調査の記録も加えて、寒波や季節によるガン・ハクチョウ類のねぐらの個体数変化を紹介する。
6. 鳥類の翼の形態と可動域が翼の機能に及ぼす影響
〇小林遥香(千葉大学)、村上正志(千葉大学)
鳥類の翼には、飛翔などの様々な機能があり、種間での形状の違いが各種の生態や生活史と関連していると考えられている。しかし、飛翔形態と翼形との関連については検出できていない。一方で、翼の関節の使い方が体重や飛翔形態と強く関係しており、鳥類は飛翔形態や体サイズに対応して翼の可動域を変化させていることが明らかにされた。しかし、翼端形状と生態との関連や、飛翔時の翼の変形の影響については検討が不十分である。本研究では、翼の形状と翼の可動域が、生態的要因や体サイズの影響下で飛翔に与える効果を明らかにする。
7. リュウキュウサンショウクイは都市鳥になれるか
〇三上かつら(バードリサーチ)
生物の分布域は様々な要因で変化する.気温や植生などの変化,生息環境の人為的改変など,生息地の変化に起因することが多いが,ときにはその生物がそれまで使っていなかった環境に適応していくこともある.リュウキュウサンショウクイは,その名の通り,かつては沖縄県や九州南部にのみ生息していたが,この20~30年の間に分布域が拡大し,2021年現在では,近畿や関東地方にも生息・定着し,一部繁殖も確認されている.本種は基本的には「山の鳥」だと考えられるが,今回は都市における本種の観察例に焦点を当てた解析結果を紹介する.
8. なぜこんなところに羽が?街中で楽しむ生態調査
〇加藤ゆき(神奈川県博)
発表者は地面に落ちている羽に着目し、それを手掛かりに地域にどのような鳥類が生息しているのかを調べています。その場にいなければできない「観察」とは違い、落ちている羽はいつでも拾うことができ特別な機材が必要ないこと、整理も簡単なことから気軽にできる調査の一つだといえます。今回は、駅前の広場に落ちていたコムクドリの羽、ビルの下に落ちていたアオバトの羽など、街中で拾い集めた羽を手掛かりに判明した興味深い事例をいくつか紹介します。
9. あなたも参加できる!羽標本データベース〜Featherbaseへようこそ〜
〇新谷亮太、犬丸瑞枝、Alexander Haase(Featherbase)
世界最大の羽標本オンラインデータベース、Featherbase。2017年に公開され、現在は世界各地の市民科学者により日々新しい標本が登録されている。このサイトは誰でも見ることができるのはもちろん、誰でも羽標本を登録することができる。また、鳥種や年齢の鑑別にとどまらず、種間の比較や計測なども可能であり、初心者から研究者まで幅広く利用することができる。本発表ではFeatherbaseの使い方や楽しみ方に加え、研究などに用いた例を紹介する。
10. ヨタカの産卵は月の満ち欠けに影響されるのか?
〇多田英行(日本野鳥の会・岡山)
ヨタカ類の中には、満月の頃に産卵や採食行動が活発化するものがいる。そこで本調査では、月の満ち欠け(月相)とヨタカの産卵時期の関係を調べた。岡山県内の8巣を調査した結果、ヨタカの主な産卵日は6月前半~7月前半のうち、月相が下弦~上弦にあたる時期と推定された。この時期に産卵すると、ヒナが独り立ちを迎える時期は、梅雨明け後の上弦~下弦の時期と重なることになる。このことから、月明かりにより採食効率が高まるとすれば、ヨタカは月相による産卵調整をすることでヒナの生存率を高めている可能性がある。
11. コロナ禍におけるサラリーマン的のんきなカルガモ育雛調査
〇長久保定雄
コロナ禍の行動制限要請の中、発表者は家から歩いて5分の黒目川の中下流域において、写真による母カルガモの個体識別によりカルガモの育雛状況を知ることができないかを試してみた。その結果、調査範囲内において7組のカルガモ親子を認め、少なくとも31羽の雛が幼鳥まで成長することを確認できた上、育雛状況の様子を観察することができた。「休日しか撮れないが、前夜深酒のため早朝に出て行けない」という、サラリーマン的のんきな調査をやっても、まあ、それなりに結果は出るもんだなあ、と思った調査例をご紹介する。
12. アオバトの謎めいた生活を調査する!in 北海道
〇松岡和樹(ちいかん)
オ~オアオ~♬でお馴染みのアオバト。みんなが良く知る超有名鳥なのに、なぜか繁殖している姿を目にした人がほとんどいないという謎。当然、繁殖生態にも謎が多く、そのことが気になって早くも10年以上が経ちました。そしてとうとう巣を発見することができました!さらに巣内育雛と巣外育雛の様子を動画におさめることもできました!本発表では、アオバトの繁殖データとともに、アオバトの微笑ましい子育ての様子を報告します。
13. 九州南部における越冬ツバメの河川環境の利用
〇天野孝保、山口典之(長崎大・院・水環)
ツバメは、代表的な日本の夏鳥として九州以北に渡来し東南アジアなどで越冬する。しかし近年、宮崎県をはじめとする九州の一部地域と稀に本州の一部地域において、ツバメの越冬が報告されている。本研究では九州南部の宮崎県宮崎平野に位置する河川において6河川(1級河川2本、2級河川4本)とその南側に位置する日本最南端の1級河川である鹿児島県の1河川(1級河川1本)の計7河川で調査を行った。本発表では、越冬ツバメの分布と採餌に利用する河川環境の利用との関係性について報告する。
14. 奄美群島の希少種オオトラツグミにおけるテトラメレス属線虫寄生の一例
〇鈴木遼太郎(日本獣医生命科学大学)、吉村久志(日本獣医生命科学大学)、常盤俊大(日本獣医生命科学大学)、鳥本亮太(ゆいの島動物病院)3、佐藤花帆(ゆいの島動物病院)、村岡幸憲(ゆいの島動物病院)、根岸大吾(ゆいの島動物病院)、山本昌美(日本獣医生命科学大学)
オオトラツグミZoothera dauma majorは国内希少野生動植物種に指定されており、斃死個体の病理学的検査は保護増殖事業において有用な知見を提供できると考えられる。今回、奄美大島で救護された後に死亡した個体の病理組織学的検査を行い、腺胃においてTetrameres sp.と推定される線虫の寄生を認めた。今回の症例では、本属線虫の寄生と死因の関連は病理組織学的に確認できなかったものの、国外では重度寄生により宿主に病害を起こした例が知られており、Tetrameres属の寄生はオオトラツグミの保全においてリスクとなる可能性がある。
15. 日本にいる日本にいない鳥:飼鳥の籠抜けの調査
〇西田澄子(東京都市大)、北村亘(東京都市大)
非在来種鳥類が外来種として定着する場合、まず、その非在来種鳥類がなんらかの原因でその生態系に入ってこなければなりません。この見地に立って、外界とほぼ隔離された状態で過ごしている愛玩用の飼鳥が野外に逃げてしまう(籠抜け)現象について調査を行っています。2019年度にバードリサーチ調査支援プロジェクトのご支援を頂き調査を行いましたが、それ以前のデータ、それ以降のデータとその解析を含めて、愛玩用飼鳥の籠抜けの実態にせまります。
コアタイム2 15:10-16:10
16. ウグイスとモズの初鳴き自動観測の試み
〇森下功啓、太田佳似
2020年に気象庁は野鳥初鳴きの観測廃止を発表した。これは測候所周辺の環境変化が主な原因とされているが、動物による季節観測は生息状況や環境の変化を知ることにつながっており、依然として重要と考えられる。そこで、著者らはバードリサーチと連携し、ソフトウェアを用いて長時間録音した音源からウグイスとモズの自動検出を試みている。実現すれば省力的に初鳴きの観測ができ、より高密度な調査ができると考えられる。本発表では、この初鳴き自動観測の進捗状況について報告する。
17. 種名を分類順に並べ替える Refsort のご紹介
〇大田黒俊夫
調査・研究の結果を整理する際には種名を分類順に並べることが作法となっていますが,それを自動化するためのプログラムを開発しています.これは辞書参照型ソーティング・フィルターと呼ばれるもので,プログラミング言語 Ruby で書かれています.並べ替えの順序を定義した辞書ファイルを用意すれば,どのような分野の並べ替えにも対応できます.大量多種のデータの整理に向き,Excel上で操作することもできます.講演では主として鳥の種名の並べ替えを例にとって紹介し,最近の鳥類分類体系についても言及します.
18. 渡り鳥飛来調査データから 広島市八幡川河口
〇日比野政彦
2008年から2021年の間の渡り鳥飛来調査のデータを主として利用し、広島市八幡川(やはたがわ)河口のカモの飛来状況の変化を報告する。
1.個体数の変・種数の変動と河口・人工干潟・埋立地環境の変化
2.ガンカモ類の変化、特に海カモ類と陸ガモ類の構成割合の変化
3.調査を継続していく上の工夫等
19. 西日本で目撃例の増えているシロガシラはどこからやってきたのか?
〇中原 亨(北九州市立自然史・歴史博物館)、宮原克久(日本野鳥の会北九州支部)、森本嘉人(日本野鳥の会北九州支部)、長井和哉(岩手大学農学部)
近年、元来中国や台湾に生息するシロガシラの確認例が西日本で増加している。その由来を探るために、本研究では西日本と韓国の観察記録を収集して時系列でたどるとともに、北九州と沖縄本島(移入集団)の個体の計測値と遺伝情報を、国外の他集団と比較した。その結果、西日本の記録の増加は韓国での記録の増加に続いて生じていたこと、北九州個体の特徴は大陸亜種と共通し、台湾亜種や沖縄本島個体とは異なることが判明した。以上より、西日本で見られるシロガシラは大陸亜種であり、韓国から自然飛来していることが示唆された。
20. 公立鳥取環境大学構内における鳥の窓ガラス衝突と紫外線反射材を使った対策の検討
〇市原晨太郎(公立鳥取環境大)
窓ガラスへの衝突は,人為的な鳥類の無視できない死亡要因の一つとされている。この対策として,紫外線反射材で衝突を抑制する方法が検討されている。今回,公立鳥取環境大学において衝突死の実態を調査し,紫外線反射フィルムを用いた対策の有効性についても検証中であり,その途中経過を報告する。2年半の調査で,18種51羽の衝突が記録され,衝突の多い種や時期,場所の傾向も明らかになった。さらに,最も衝突が見られた窓ガラスに紫外線反射フィルムを設置し,その前後で衝突数を比較した結果,設置後に衝突数は有意に減少した。
21. 気候変動生物学の紹介:生物は急激な温暖化にどのように対応しているか?
〇黒沢令子(バードリサーチ)
COP26会議が終了したばかりだが、化石燃料からの二酸化炭素の排出過剰で、地球温暖化は止まる気配がない。生物への悪影響が懸念されることから、気候変動生物学という新分野の研究が世界中で進められている。主要な影響である気温上昇、異常気象の増加、海洋酸性化に対して、鳥を中心に生物側の対応事例を文献からレビューしてみた。生物は、適応、移動、進化、避難するという対応をしていた。また、生態系の混乱により、分布だけでなく種間関係や生活史まで幅広く変化が見られ、将来予測をより困難にしている。
22. 原池公園におけるバンの観察記録
〇山田琉太郎 (奈良学園高等学校)
近年減少傾向にあるバンですが、原池公園では通年バンを観察することができ、これまで何度も繁殖が確認されてきました。つがいの交代や、現在の生息状況など、2019年から撮りためてきた写真をもとに、観察記録をまとめました。
23. 八丈小島で繁殖するウミネコの吐き出し物における生物種構成
〇花輪万智(東邦大学)
海洋島である八丈小島で繁殖するウミネコの吐き出し物中に確認された生物種を報告する。2021年5月中旬から7月上旬にかけて、巣周辺に残された親鳥やヒナが吐き戻した餌やペリットなどの吐き出し物を採集し、合計45サンプルを得た。各サンプルに含まれる動物を分類群による構成単位に分けたところ、60構成単位となり、陸生甲虫類が37%、トビウオ等の魚類が27%、陸や磯に生息するカニ類が15%、コウイカ類が12%であった。吐き戻し餌とペリットの15サンプルのうち、1サンプルのみで海と陸の生物が混在していた。
24. クロガモはマイクロプラスチックに汚染されているのか(予備的研究)
〇徳長ゆり香(日本獣医生命科学大学)、吉里尚子(いであ株式会社)、羽山伸一(日本獣医生命科学大学)
プラスチックを摂取する海鳥は経年的に増え続け、2050年までに99%に達することが予想されている。潜水ガモ類は、沿岸域でマイクロプラスチック(以下、MPs)に汚染されやすい貝類などを採食するため、MPsを摂取する機会が多いと考えられるが、ミズナギドリ類などの海鳥と比較して研究報告は極めて少ない。本研究では潜水ガモ類のMPs汚染実態の解明を目的とし、クロガモの胃内容物中のMPsを調査した。その結果、数十μmから数mmサイズのMPsが多数検出され、クロガモが海底のMPsを誤食したり餌生物からMPsを摂取したりしている可能性が示唆された。
2019年度のバードリサーチ研究支援プロジェクトとして、2020年3月から2021年2月までの1年間、樹木伐採工事後の川沿いを月に10回歩いて鳥類への変化の有無を調査しました。変化の有無は1年ではつかみきれない可能性もあるため、プロジェクト終了後の現在も同頻度で観察を継続中です。この発表では、プロジェクトの報告書に記載した調査結果についてのQ&Aのほか、川沿いや田畑に生息する鳥類に関するよもやま話や情報交換がしたいです。
26. ケリの個体群動体と営農活動の関係
〇小丸奏(岐阜大学)、秋田滉介
ケリは東海地方や近畿地方に局地的に生息し、環境省レッドリストに情報不足(DD)として記載されている。本種の営巣場所は主に水田であり、営農活動の影響を受けやすいため、本種の適切な保全の検討には、その生息状況と営農活動との関係を明らかにする必要がある。本調査では、東海地方の農地において、個体数、営巣数、農地の状況を記録し、その関係を調べた。その結果、本種は冬季に他の地域への移動している可能性があることに加え、春から秋にかけては農地の状況の変化に応じて移動を行っていることが明らかとなった。
27. アプリによる登山者からのライチョウ情報の収集、その有用性と保全への活用
〇堀田昌伸・黒江美紗子(長野県環境保全研)、峰村政輝(長野県環境部)、名和裕司(ESRIジャパン株)
長野県では、高山生態系のシンボル、ライチョウの保護保全の一環として、2011年以降、登山者等から高山帯で確認したライチョウ情報を収集する事業を行なっています。そして、収集情報からライチョウの生息状況や繁殖状況のモニタリングの可能性を検討してきました。2021年から、より多くの方々から情報を収集し、位置情報の精度を向上させるため、ArcGIS AppStudioによりアプリ(ライポス)を開発し、7月から運用を開始しました。今回、アプリによる情報収集の状況や今後の展望について話題提供します。
28. LED光を用いた市街地をねぐらにするムクドリ対策の実験報告
〇池田貴裕・清水良憲
都市部の社会課題の一つである「ムクドリのねぐら問題」の解消に向けて、昨年度に静岡県浜松市と共同で光刺激によるムクドリ対策の実証実験を行った。本成果として携帯型鳥獣対策用LED照明「ホロライト・チェッカーズ」を本年4月に製品化、今年度の浜松市におけるムクドリ対策として装置3台が活用されている。その結果、昨年と比較して市街地におけるムクドリ飛来数の減少が確認できている。本発表では光刺激に対するムクドリの行動習性について報告する。今後、ヒトとムクドリが共存できる社会に向けて継続的な調査を行う。
29. 埼玉県小川町の官ノ倉山にメガソーラー開発計画、サシバ・ミゾゴイ繁殖へ大きな脅威
〇1鈴木邦彦・2鈴木治美・3小山正人・4小林みどり・5斉藤裕也・1高瀬仁志・6内田博・3小山和美 発表者及び共同発表者の所属: 1比企の太陽光発電を考える会・2小川町里山クラブ・3野生動物救護獣医師協会・4みぬまサウルス企画事務所・5比企・奥武蔵陸水生物調査会・6比企野生生物研究所
埼玉県小川町の里山、官ノ倉山。嘗てゴルフ場開発で大改変されたが、工事半ばで計画頓挫、約26年間の放置状態にあった。2020年、この山でサシバ繁殖が3箇所で確認された。調査は地元住民が中心で生物・生態系専門家らが協力した。各巣で2~3羽のヒナが2シーズン続けて巣立った。2021年初夏、開発跡地のほぼ中央で営巣中のミゾゴイも発見された。山麓の小流にはホトケドジョウも確認され、絶滅危惧種を育む新たな生態系が生まれている。ところが、搬入残土で谷を埋め、メガソーラー発電所建設する新たな脅威に直面している。
30. 2021年に道内にて発生したカラス類集団死事例の死因解析
〇岡田東彦(酪農学園大学 獣医学群獣医学類 感染・病理学分野 医動物学ユニット/野生動物医学センターWAMC)、浅川満彦(酪農大)
本内容は今年度の日本鳥学会大会で発表した内容を一部改変したものである。道内では昨年に引き続き、2021年も同様のカラス類集団死事例が発生した。当該地域を管轄する警察署より死因解析が依頼され、ハシボソガラス(Corvus corone)1個体及びハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)6個体の剖検が酪農学園大学野生動物医学センターWAMCで行われた。頭蓋内出血や腸管粘膜の変色等の他、口腔内には吐瀉物や粘液の貯留が確認された。北海道警察科学捜査研究所にて採取された試料の分析が行われた結果、5個体よりシアノホスの成分が検出された。
コアタイム3 16:20-17:20
本発表は2020年度に報告した環境音からヤンバルクイナの鳴き声を自動識別する研究の続報である。VGG16の転移学習により、2018年度に得た合計500時間強の音源に対してAUCで0.75を達成した。これにより誤判定をかなり減らすことができた。学習手法に加え、GitHubに公開中の学習モデルの利用方法についても紹介したい。また、間に合えば、2021年に回収した1年分の音源に対する成績についても報告する。
32. 2021年に酪農大へ搬入された野鳥の傷病・死因解析の概要
〇浅川満彦(酪農大)
昨年の研究会に引き続き、COVID-19下で、例年比べ酪農学園大学野生動物医学センターに搬入された野鳥の傷病個体あるいは大量死死体などの件数は少なかったが、社会的に問題視すべき事案も含まれた。本研究会でも鳥類医学面からこの問題となった事案概要を紹介し、情報共有したい。
33. 洪水後の渡良瀬遊水地におけるオオセッカの急激な減少
〇平野敏明(バードリサーチ)
栃木県南部の渡良瀬遊水地は,洪水対策用に造成された多目的遊水地で湿地性鳥類の重要な生息地となっている。ここでは2000年代になると稀少種のオオセッカLocustella pryeriが生息するようになり,2019年5月には最多41羽の雄が記録された。しかし,2019年10月の台風19号による豪雨により同遊水地が満水になり,その後の冬期および繁殖期ともオオセッカの個体数が激減した。目視では生息地の環境に著しい変化は認められないが,本種の急激な減少はこの洪水による植生などへの影響が考えられた。
オオタカ立体視シートでカラス・ムクドリ・カモ・スズメバチ被害減少とオニヤンマ立体視シートで蚊刺され被害減少
35. アオシギは普通種か?
〇香川裕之(岩手連大)
アオシギは全国の丘陵から山地の沢や渓流,湿地等に渡来する冬鳥で,単独で観察されることが多いとされる.しかし,観察機会が少ないため越冬数や生息環境等の知見に乏しく,レッドリストカテゴリーでも「情報不足」の自治体が少なくない.本研究は,本種の生息密度や生息環境に関する定量的な情報を得ることを目的として,宮城県仙台市とその近隣市町の計35箇所に調査地を設定し,2019年11月から2021年1月にかけて生息調査を実施した.得られたいくつかの知見から,アオシギの現在について考えたい.
36. 高速道路周辺に営巣するサギコロニー 〜10年に及ぶ調査結果とコロニー移設策について〜
〇芳賀大(日本野鳥の会愛知県支部保護部)
愛知県内では2010年にNexco中日本、弥富野鳥園、日本野鳥の会愛知県支部の3者で取り交わした「サギと高速道路との共生に向けた連携・協力に関する覚書」に 基づき、2011年から高速道路周辺(弥富IC・蟹江IC)のサギコロニー内の個体数や種類、営巣状況などの実態やその推移を把握するための個体数調査が行われてる。本発表は10年に及ぶ長期モニタリング調査で明らかになったサギコロニーの状況と、高速道路を含めた周辺の安全・維持管理のために実施しているデコイや音声発生誘引装置を使ったコロニー移設策の概要とその結果について報告する。
37. 八代海におけるクロツラヘラサギの生息状況
〇高野茂樹(クロツラヘラサギネットワーク)
クロツラヘラサギは東アジアに分布し、環境省RDLでは絶滅危惧ⅠBに指定されている。2021年1月の世界一斉調査では世界で5222羽が、日本では570羽が記録された。八代海では1997頃から飛来が始まり、飛来数は増加傾向である。しかし、新幹線氷川橋梁建設(2004年)、鏡川河口の橋梁復旧工事(2016年)、球磨川豪雨(2020年)や鏡川河口消波柵の沈下(2021年)など、生息への影響が見られている。氷川河口中洲では飛来は続いているが、鏡川河口では橋梁工事や消波柵沈下によって、また球磨川河口では洪水などで越冬数の減少が見られている。
38. ルリカケスの繁殖生態 おもしろそうな行動いろいろ
〇石田 健(自由科学者)、高美喜男(奄美野鳥の会)、永井弓子(奄美野鳥の会)、高橋幸裕(上野動物園)
奄美諸島固有種、ルリカケスはきれいで愛嬌のある、観ごたえのある鳥。樹洞や着生シダの茂み、岩棚などにお椀型のしっかりした巣を造って、奄美のほかの鳥たちより早く営巣します。人家の軒先を借りる逞しさも。巣箱も利用してくれるので、20年余り、屋根につけたインターバルカメラでの撮影も使い観察した結果のほんの一部を紹介します。2014年と18年のIOC、Ishidaほか(2015)などに既出ですが、日本ではあまり紹介してこなかったので、巣立ち後3日連続追跡した雛の行動など、いろいろ雑多にご紹介する予定です。
39. サシバの産卵日は春先の気象で予測できるか?
◯運天さつき、木村啓、香川裕之、田村将剛(東北緑化環境保全株式会社)
気候変動に対する意識の高まり等を受け、気温等の気象状況と生物季節との関係に関する研究が注目されている。サシバは里山から山地の生態系の上位に位置する種で、近年個体数が減少していると言われており、繁殖時期を予測することは保全上の観点からも重要と考えられる。山形県中~北部で調査された8年間(延べ103巣)のサシバの繁殖状況を整理した結果、年毎の産卵日には有意な差があった。そこで本研究では、サシバの産卵日を気象情報等から予測できないかモデルの検討を行った。
40. 長時間録音から鳥の声を楽に見つけ・記録するWEBアプリ「トリル」の開発状況
〇大坂英樹(トリルラボ)
長時間アノテーションWEBアプリ「トリル(toriR)」の開発状況を報告する(BR調査研究支援2019)。トリルでは録音からスペクトログラムをユーザのブラウザで生成でき好みに調整できるようになった。アノテーションは種名に加え声の違い(地鳴き、囀り、幼鳥など)を入力・表示できるようになった。アノテートされた短音とスペクトログラムはオープンデータとして学名毎に分類表示され、視聴・共有できる(非共有も可)。多くの方に使っていただき、鳥の声のデータベースを構築し機械学習と市民科学の発展に寄与したい。
41. 市街地におけるカラス2種とスズメの個体数および群れサイズの季節変化
〇佐藤晴香、三上修(北海道教育大・函館校)
スズメおよびカラス2種は街中で身近に見られる鳥類である。季節を問わず見ることが出来るため、季節によって個体数がどのように変化するのか、群れかどうかなど、経験的には分かっているような気がする。しかし、定量的なデータはほとんど無い。そこで、本研究では、1年を通してスズメ・カラス2種の個体数および群れサイズを調査し、どう変化していくのかを明らかにすることを目的とした。調査は2021年の3月に開始し、11月までのデータが集まった。本発表では、これまで調査した9ヶ月分のデータから読み取れる結果を報告する。
42. 長崎県南部における繁殖期のヒクイナの生息状況
〇大槻恒介(長崎大・院・水環)
ヒクイナは、湿原や河畔、水田などの湿性草原に生息する小型の渉禽である。湿地の喪失や稲作の近代化に伴う水田環境の悪化により、1990年代に数を減らし、現在も環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。一方、西日本では2010年代頃から分布状況が回復傾向にあるとされている。しかしその理由は未だ不明である。本研究では、ヒクイナの分布状況が回復傾向にある理由を調べるために、長崎県南部でプレイバック法による生息の在・不在調査を実施した。今回は生息状況とその環境の特性について報告する。
43. 山形県酒田市国指定最上川河口鳥獣保護区域における探鳥マップの作成と活用法
〇歌岡大祐1、◯井上稜也1、増子圭吾1、佐藤陸玖1、若山奈月1、岩城勇太1、海谷一彰1、梅津美瑳1、荘司風輝1(1:東北公益文科大学公益学部)、長船裕紀(鳥海南麓自然保護官事務所・猛禽類保護センター)、広瀬雄二(東北公益文科大学)
山形県酒田市は日本海沿岸に位置し、市内を一級河川である最上川が流れ、その河口周辺は国によって鳥獣保護区に指定されています。私たち東北公益文科大学の学生は、その区域を中心に、酒田市でどのような野鳥を観察できるのかを楽しみながら学べる、ウェブ地図を作成するプロジェクトを立ち上げました。今回の発表では、その地図のシステム、作成した地図上でどのように鳥に関する情報が表示されるか、鳥の情報をいかに楽しめる形でユーザーに提示できるか、そして、今後どのような活用が期待できるかを発表します。
44. 育雛初期におけるトラフズクの営巣木伐採後の巣台設置による繁殖成功事例
〇長船裕紀(庄内海岸いきもの調査グループ)、佐久間憲生(出羽三山の自然を守る会)
2021年4月、山形県鶴岡市の民家敷地内において、防風林として管理されていたスギの高木が伐採された。家主らはトラフズクの巣があることに気づかず、スギの伐採とともに、育雛中の巣を地面に降ろしてしまった。巣内には雛4個体、孵化直前の卵1個が確認された。このような偶発的状況でのトラフズクの繁殖中断は少なくない。したがって、対処として同じ敷地内のスギの高木の高い位置に巣台を設置し、繁殖巣を巣台に縛り付け固定したところ、その後も繁殖行動が継続し、3個体の雛が巣立ちした。今回は繁殖成功の1事例として報告する。
45. 野鳥が羅網しにくい網の研究~野鳥を護る防鳥網を考える~
〇内田理恵(バードリサーチ会員)
カモ用防鳥網の使用で多発している野鳥の羅網事故について、防鳥網の「網目」に注目して羅網状況を分析。野鳥の羅網パタンを類型化し、試験により実証を試みます。
野鳥も農家もハッピーとなる「理想の防鳥網」を考える取り組みです。
「バードリサーチ調査研究支援プロジェクト2019」支援プロジェクト追加報告。
46. ドローンとAIを利用したカモ類の自動カウント
〇神山和夫(バードリサーチ)、川瀬英路(カミエンステクノロジー株式会社)
ガンカモ類の個体数調査では双眼鏡などを使い目視でカウントすることが一般的だが、数千羽以上の群れや、岸から遠い群れを目視でカウントすることは難しい。こうした場合にも正確なカウントを行うため、ドローンで上空からカモ類の群れ写真を撮影し、AI(人工知能)技術のひとつである深層学習を利用してコンピューターにカモの個体の形状を学習させることで、種別、雌雄別に自動でカウントする技術の開発を行った。茨城県の北浦と千葉県の夏目の堰で、DJI社のPhantom4 Proを使用して高度20mから撮影したマガモとオナガガモの雌雄をAIに認識させて精度を調べたところ、正答率(認識できた対象種÷写真に写っている全対象種)が80-100%の写真が多かったが、40%台になる写真もあり、写真の撮影状態によって認識精度にバラツキがあるようだった。
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今年の発表形式について。
従来の学会では、口頭発表のほかにポスター発表という発表枠があります。発表者はA0サイズのボードに研究内容や研究成果をまとめたポスターを貼り、参加者はそのポスターを見て周ります。発表時間が設けられていることが多く、その時は発表者はポスターの前に立って、説明をしたり、質問に答えたりします。同時に話ができるのは、5~10名ぐらい。気軽に質問をしたり、アドバイスをしたりできますし、発表者も大勢の前でプレゼンするよりプレッシャーがなく、多くのアドバイスをもらえる利点があります。
それを、オンラインで実現するにはどうしたらよいか?考えました。A0サイズのポスターをWeb上にUPしても、一度に全部を画面に映すと字が小さくて読めませんし、拡大して見ようにも、画面のスクロールが縦横に必要で面倒です。そこで、大きなポスターではなく、スライドをUPするのが良いのではないかという結論になりました。
いくつかの方法を検討した結果、今年は発表スライドを大会ページに貼り付け、
それを見ながらzoomブレイクアウトルームでお話していだくという形式を採用しました。
A–01
フライトコールによるヤイロチョウの渡り調査〜5年間の渡来時期の傾向〜
〇植松永至1,2・小倉豪1・溝口文男1・中村豊1・中原聡1・岡部海都1・楠木憲一1・岩本忠義1・平田智法1・黒田治男1・齊木孝1・牛込祐司1・松宮裕秋1・佐野清貴1,3・峯光一1,4・鳥飼久裕1,5・森下功啓1,6・中原亨1,7・山口典之1,8・大槻恒介1,8・井上拓海1,8・上田浩一1,9・貞光隆志1,10・西剛1,10・古田慎一1,11・中村滝男1,12・森茂晃1,13・星野由美子1,14・今森達也1,15・増川勝二1,15 (1 ヤイロチョウ渡り調査Pチーム・2 信州タカ渡り研・3 カンムリワシR・4 南西環境研・5 奄美野鳥の会・6 熊本高専・7 北九州市博・8 長崎大院・水環・9 五島自然ネット・10 対馬野鳥の会・11 関門タカ渡り会・12 生態系トラスト協会・13 ホシザキG財団・14 三瓶自然館・15 北陸鳥類研)
A–02
九州南部における越冬ツバメの分布と餌場環境利用の評価
〇天野孝保(長大・院・水環)
A–03
モテる雄は冬に頑張る!?ミソサザイの雄の非繁殖期のなわばりが繁殖成功に与える影響の解明
〇惣田彩可(京都大・院・理)
A–04
人里で暮らす大型鳥類の保全をコウノトリから考える ~巣立ちビナの行動圏と利用ハビタット~
〇伊﨑実那
A–05
オオバンモデル「ラモウちゃん」が解説するハス田の野鳥羅網事故の原因と対策
〇内田理恵(バードリサーチ会員)
A–06
2022年夏の増水がオオハクチョウに与えた影響
〇嶋田哲郎(伊豆沼財団)
A–07
日本列島を利用するシギ・チドリ群集の主な生息地における球磨川河口の位置
〇高野茂樹(八代野鳥愛好会)・守屋年史(バードリサーチ)
A–08
茨城県稲敷市の甘田入干拓・西の洲干拓の草原性希少鳥類を調べる
〇内田初江(日本野鳥の会茨城県)・北沢宗大(北海道大学)・福田篤徳(日本野鳥の会茨城県)
A–09
伊豆諸島における1970年以降の鳥類群集構造の変化への人為撹乱と外来種の影響
〇飯島大智 (千葉大・院・融合)・安藤温子 (国立環境研究所)・井上遠 (バードライフ・インターナショナル東京)・佐藤望 (くりべぇす)
B–01
録音音源からの野鳥の自動識別
〇森下功啓(熊本高専)・太田佳似(日本気象予報士会 関西支部)・植田睦之(バードリサーチ)
B–02
南大東島に自然移入したウグイスの音声-XX年後の調査をよろしく
〇濱尾章二(国立科学博物館)
B–03
外来種ガビチョウの個体数増加による在来鳥類への影響
〇西川大生(早稲田大学人間科学部人間環境学科 野生動物生態学研究室)、風間健太郎(早稲田大学)
B–04
繁殖期のカラス類との付き合い方を考える
〇中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)
B–05
最南限繁殖地における二ホンライチョウなわばり雄の季節移動
〇朝倉俊治1・堀田昌伸2・近藤多美子1 (1 静岡ライチョウ研究会、2 長野県環境保全研究所)
B–06
スズメによるコシアカツバメの巣の乗っ取りとコシアカツバメの抵抗
〇福井亘(栃木・黒磯高校)
B–07
マガモが樹洞に営巣した事例
〇新田啓子(日本オシドリの会)・中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)
B–08
秋に急増するホシハジロと増減が比較的少ないキンクロハジロ-琵琶湖南湖におけるハジロ属の個体数変化
◯倉沢康大
B–09
トモエガモは越冬地を移動したのか?~2022年冬期の観察記録より~
〇星野由美子(三瓶自然館)・森茂晃(ホシザキグリーン財団)・安食一歩(島根大学)
B–10
十勝地方におけるハクガンの観察報告 〜翼の模様の変異に注目して〜
〇遠藤碧子(帯広畜産大学)・及川樹也(帯広畜産大学)
B–11
アメリカヒドリとヒドリガモの尾羽の枚数の傾向
〇及川樹也(帯広畜産大学)
B–12
亜種リュウキュウオオコノハズクの基礎生態
〇江指万里(北大・理院)・熊谷隼(北大・理院)・宮城国太郎(沖縄野鳥の会)・外山雅大(根室市歴史と自然の博物館)・高木昌興(北大・理院)
B–13
ヤマシギとアマミヤマシギを夜行性と言ってはいけない
〇小高信彦(森林総研九州)・鳥飼久裕 (奄美野鳥の会)・久高将和・久高将洋 (Yambaru Blue)・嵩原健二(沖縄野鳥研究会)・水田拓(山階鳥研)
B–14
孤独なジシギが群れるとき アオシギの夜の生態に迫る
〇松宮裕秋
ポスター発表 講演要旨
スライドショー発表 1 S-01
交差点上のコサギのねぐら
○多田英行(日本野鳥の会・岡山)
近年、岡山県南部では都市部の交差点上にコサギのねぐらが確認されている。本調査ではいくつかあるねぐらのうち、規模の大きな1か所を10年間調査した。ねぐらは非繁殖期にあたる8~3月頃に利用され、個体数のピークは11月頃に迎え、最大で151羽を記録した。寒波や強風の日には一時的に個体数が減少し、厳冬期にあたる1~2月には個体数が激減した。ねぐら利用されやすい場所の要因として、電線や電柱の付属物が多く止まりやすいこと、ねぐらの近くに明るい照明があること、周囲にビルなどの障害物が少ないことが考えられる。
スライドショー発表 1 S-02
オオトラツグミ生息状況30年の変遷 〜幻の鳥から普通種に〜
○石田健(自由科学者)
奄美大島のみに生息するオオトラツグミは、1990年代には、わずかに残されていた生息地の老齢林に夜を通して滞在しても、逢える機会の少ない鳥だった。現在は、分布域が広がり、多くの森林で、繁殖期には夜明け前にその美しいさえずりを聞かれ、夜が明けてからも姿を観察できるようになった。1980年代まで続いた森林開発が急速に低下し、21世紀に入ってから侵略的外来種フイリマングースの防除事業も成果をあげた結果だと考えられる。金作原国有林でのルートセンサスや、録音調査の結果などを示し、この30年の変遷を紹介する。
スライドショー発表 1 S-03
アライグマの捕食回避に適した森林性鳥類の巣箱の形状
○渡邉大雅(東海大・生)・松井晋(東海大・生)
鳥類の人工巣(巣箱)と自然巣を襲撃する捕食者相には違いがあり、外来種アライグマは鳥類の巣箱での繁殖を著しく攪乱することが近年問題になっている。アライグマが生息する羊ヶ丘実験林(札幌市豊平区)において、巣箱の入口の形状をS字型と筒型に改良した一般的に使用されているサイズの巣箱と、丸穴の入口から底までの距離が長くなるように改良した深底型の巣箱を設置してカラ類(ジシュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ)の繁殖生態を追跡し、各タイプの巣箱の繁殖成績からアライグマの捕食リスクの回避できる巣箱の形状を比較検証した。
スライドショー発表 1 S-04
カラスとスズメは磁石が嫌い?
○山口恭弘(農研機構)・吉田保志子(農研機構)・佐伯緑(農研機構)・水井陽介(静岡・農林技術研)
鳥は地磁気を感知でき、近年では鳥の網膜が磁気感知に関わることが示唆されている。一方、鳥害対策グッズとして磁石を使ったものが多く市販されている。しかし、鳥が地磁気を感知できることと、磁石による磁場の乱れを忌避することは別問題である。本研究では、飼育下でカラス、スズメを用いて、磁石の忌避効果の有無を検証した。餌場への来訪回数、試験飼料の消費量、来訪ごとの滞在時間のいずれについても、磁石ありと磁石なしの餌場で差はみられなかった。今回使用した1200ガウスの磁石に鳥を忌避させる効果はないと考えられた。
スライドショー発表 1 S-05
蓮田の防鳥網を考える~野鳥が羅網しにくい網の研究~
○内田 理恵(フリー・特定非営利活動法人バードリサーチ 協力会員)
茨城県霞ケ浦周辺のハス田では、カモ用防鳥網による野鳥の羅網被害が後を絶たず、毎年絶滅危惧種を含む数千羽の野鳥の羅網死が報告されています。本発表では、これまでほとんど研究されていない防鳥網の「網目」に着目し、野鳥が羅網しにくい網目として「正六角形目(ハニカム目)」を提案します。実際にハス田に網を設置しての実証試験はこれからですが、正六角形目網の試作状況について、ご報告いたします。(「2020年度 バードリサーチ調査研究支援プロジェクト」支援対象研究)
スライドショー発表 1 S-06
フライトコールによるヤイロチョウ渡り調査の試み
○植松永至・小倉豪・溝口文男・中村豊・中原聡・楠木憲一・岩本忠義・平田智法・黒田治男・ 牛込祐司・松宮裕秋(ヤイロチョウ渡り研)・峯光一(南西環境研)・鳥飼久裕(奄美野鳥の会)・中原亨(北九州市博)・山口典之・大槻恒介(長崎大院・水環)・上田浩一(五島自然ネット)・貞光隆志・西剛(対馬野鳥の会)・古田慎一(関門タカ渡り会)・中村滝男(生態系トラスト協)・森茂晃(ホシザキグリーン財団)・星野由美子(三瓶自然館)・今森達也・増川勝二(北陸鳥類研)
ヤイロチョウ(Pitta nympha )は、本州・四国・九州に少数が渡来する夏鳥であるが、姿の観察が困難なこともあり、生息動向は十分把握されていない。一方、本種の鳴き声は判別が比較的容易であり、渡り時期の夜間には、上空から渡り途中と思われる個体の鳴き声を聞くことがある。演者らは2018年より、移動中のヤイロチョウが夜間に発する鳴き声(フライトコール)を長時間録音で記録し、国内におけるヤイロチョウの渡り経路や渡来状況の調査を行っている。今回の発表では調査の内容や得られた結果の概要を紹介する。
スライドショー発表 1 S-07
ムクドリのねぐら環境選好性についての予備的な報告
〇植村慎吾(バードリサーチ)
ムクドリのねぐらは、人通りの多い場所に形成されると騒音や糞が問題になり、これまでに様々な自治体で追い払い対策が取られてきた。追い払いを行うと一時的にはねぐら問題が解決するものの、近隣で新たなねぐらを形成して同様の問題を引き起こす。ムクドリがねぐらとして好む環境がわかれば、ねぐらの追い払いや誘致に役立てることができる。本研究では、市民と協働で集めた多数のねぐら位置情報をもとにムクドリが好むねぐら環境を調べた。本発表ではこれまでに得られたねぐら位置の特徴や被害が起きやすい時期について予備的な結果を報告する。
スライドショー発表 2 S-08
森林性鳥類の繁殖期における蠕虫感染率の種間比較
○石倉日菜子(東海大・院・生)・松井晋(東海大講師)・川路則友
鳥類に感染する蠕虫(ゼンチュウ)類は主に節足動物などを中間宿主とし、これらの寄生者に感染した宿主鳥類は寿命や繁殖成功度が低下する場合があることが知られている。本研究では、北海道で繁殖期に捕獲した森林性鳥類から糞を採取して蠕虫感染の有無を調べた。成鳥(13種63個体)のうち4種7個体(11%)、幼鳥(10種25個体)のうち1種1個体(4%)から蠕虫卵が検出され、年齢に伴って寄生蠕虫類に感染するリスクが高くなると考えられた。
スライドショー発表 2 S-09
酪農学園大学野生動物医学センターWAMCに依頼された死因解析等報告集の刊行
○浅川満彦(酪農大・獣・医動物)・吉野智生(釧路動物園)
2004年4月、酪農学園大学野生動物医学センターWAMCが設立された。WAMCは外来種を含む野生動物のみならず、動物園水族館の飼育動物、アルパカやダチョウなどの特用家畜・家禽、愛玩鳥、エキゾチック動物等を対象に寄生虫病を含む感染症の病原体診断・疫学の研究活動を展開してきた。しかし、WAMCの活動が活発化するにつれ、動物病院構内に設置されたこともあり、次第に、野外で見つかる野生動物の死体も搬入された。その報告も30を超えたたことから、その報告集刊行された。この概要を紹介する。
スライドショー発表 2 S-10
香川県に飛来したヘラサギで判った事
○吉村正則
ヘラサギ成鳥の嘴の模様は経験的に個体差がある事を知っている。今回、2007年から香川に飛来したヘラサギを継続的に見る事で嘴や皮膚の露出部の模様で個体が特定出来、加齢と共に変化する嘴の様子、冠羽の伸長状況を写真撮影して年毎、あるいは同年での変化を約2週間毎に並べて伸長状況を示した。また、個体は違っているが、幼鳥の虹彩色の変化を月毎に並べて変化を追った。結果、しっかりとした冠羽が伸びるのは満6歳頃から、また、若い時期は換羽が伸び始める時期が遅いが、成鳥と共に冠羽が伸び始める時期が早くなっている。
スライドショー発表 2 S-11
鳥類は電柱・電線のどこに止まるか:Google Street Viewを用いた調査の検討
○藤岡健人(北教大・院・函館校)・三上修(北教大)
近年、Google Street Viewの画像データを用いた研究が多く行われている。たとえば、画像データから、街路樹の種や幹の直径を推定した研究がある。本研究ではこの画像データを鳥類研究に用いることを検討した。日本中に張り巡らされている電柱・電線を、多くの鳥類は止まり場所として利用している。これまでに、都市部における観察において、どの種が、電柱・電線のどの部位を利用しているのかがまとめられてきた。本研究では、これをGoogle Street Viewを用いて行い、どの程度のデータが集まるのか、既存研究と同様の結果が得られるのかを検討した。
スライドショー発表 2 S-12
ブッポウソウの繁殖成功を決める要因は?
○黒田聖子・出口智広(兵庫県立大・地域資源)
繁殖成績は対象種の生活史や個体群動態を理解する上で重要である。本研究は、二次樹洞営巣種である本種の巣箱での繁殖生態を調査し、産卵数、孵化雛数、巣立ち雛数を決める要因を明らかにすることを目的としている。一般化線形混合モデルを用いて解析を行った結果、産卵数は初卵日、孵化雛数と巣立ち雛数は巣材の種類が最も予測のよいモデルと説明変数として選ばれた。とくに巣材のない巣では、ある場合と比べて孵化率、巣立ち率がともに低かった。本種は巣材を運ぶ習性はなく、先に巣箱を利用する他種が運んだ巣材が、本種の繁殖成績を決める重要な要因であることがわかった。
スライドショー発表 2 S-13
香川県中讃地方に飛来したコウノトリの年齢、性別、出生地等の検討
○吉村正則
香川県には2012年から足環付のコウノトリが飛来し始めた。特に2019年から飛来数が著しく増加している。年齢、性別、出生地、血縁関係等がどうなっているのか知りたく、足環から個体を正確に割り出した。
結果、若い個体の割合が高く、地域的には兵庫県由来が多くて、次いで徳島県由来が多いという結果になった。血縁関係でも数組のペア、親子、兄弟が含まれているのが解った。今回は、今までの記録を纏めただけの報告であるが、今後サギ類など餌が競合する他種との関りや、溜池の環境が変わることによっての飛来数の変化等を継続して調べてみたい。
スライドショー発表 2 S-14
九州中北部におけるミヤマガラスの越冬生態
〇服部南・松田浩輝・中村頌湧・徳田誠(佐賀大)・側垣共生(鹿大・連合農)
ミヤマガラスによる都市部での集団ねぐらの形成が複数の地域で報告されており、衛生被害の軽減が求められているが、対策に必要な越冬生態に関する知見は少ない。本研究では佐賀市と熊本市をねぐらとする集団を対象に、ねぐらの場所の季節推移や採餌行動、餌内容等を調査した。両集団とも在来のカラスと混合ねぐらを形成し、採餌集団のサイズや餌内容はほぼ同様であったが、ねぐらから採餌場所までの距離は熊本集団が有意に長かった。これは市街地の規模の違いが影響していると考えられる。以上を踏まえ、本種の越冬生態について考察する。
スライドショー発表 2 S-15
鳥類における叉骨–胸骨間の形態比較
○有川慶彦(県立千葉高)
叉骨は、鳥類の胸部骨格を構成する骨の一つで、鎖骨が中央で癒合し、一本の骨となったものとされている。翼の上下運動に合わせ、バネのように変形する鳥類の運動において重要な役割を持つ骨である。筆者は、鳥類の骨格を観察した際、叉骨と胸骨が癒合している種、関節している種、独立している種等、叉骨-胸骨間の形態差異に気が付いた。そこで、鳥類の叉骨-胸骨間の形態の種間比較を行った。研究において、2通りの調査:骨格標本またはCT画像の観察による叉骨-胸骨間の形態の傾向の考察・解剖観察を行った。
自由集会
自由集会 1a 12月19日 15:50-16:50
研究を楽しむ場所づくり
植村慎吾(バードリサーチ)、森田泰暢(ヒマラボ)
鳥類学の発展には、プロの研究者の他に、市民研究者が大きく貢献してきました。バードリサーチでも季節前線ウォッチやムクドリのねぐら調査など、市民と一緒に野鳥のデータを集める研究的なプロジェクトを行っています。しかし、研究はデータ集め以外にも、仮説を考えたり結果をまとめたりするところにも面白さがあります。福岡大学発の、市民による主体的な知的生産を支援するヒマラボの活動を通して、もっと気軽な鳥研究の場所づくりについておしゃべりします。
自由集会 2ab 12月20日 14:00-16:10
羽毛の機能と進化
羽毛の形状や色彩から飛翔能力や性選択を研究
企画者:山﨑優佑(バードリサーチ) 田谷昌仁(東北大学) 前田将輝(Royal Veterinary College) 森本元(山階鳥類研究所)
現生生物で羽毛を持っているのは鳥類だけで、鳥類最大の特徴といえる。羽毛の形状や色彩は驚くほど多様であるが、これは羽毛が飛翔や性選択といった鳥の生存や繁殖に極めて重要な場面を司る器官であり、多様な生活史をもつ鳥類の適応の結果であると考えられる。では、種によって飛翔能力は異なるが、種間で羽毛の形状にどんな違いがあるのだろうか?また、羽色はどのような仕組みで構成されているのだろうか?
この自由集会では、これらのことを分析した研究などを紹介し、最後に演者の発表内容に対する質疑応答などをしたいと考えている。
自由集会 2b 12月20日 15:10-16:10
シマアオジの保全
長谷部真 シンバ・チャン
シマアオジの国内絶滅を回避するために、国内外の保全活動について検討する。まず、2020年のサロベツにおけるシマアオジの繁殖状況・地域における普及啓発活動を報告し、国際的な保全活動についても報告する。